2001-01-07
■ 宮部みゆき/
あやし―怪(宮部 みゆき)
江戸を舞台にした怪談話が9編収められている。怪談であるからには少々怖い話ばかりであるが、江戸の情緒があり暖かい話ばかりである。この時代の風流さ、人のやさしさが基本にある。東京の下町には今も人情があるとよく言われるが、いわゆる人情というのはこの本にあるような人の優しさなのだろう。人間同士の干渉をできるだけ避けるような町にいると、近所の人との会話ややり取りが懐かしくなる。また、怪談的にも夏の夜に友達同士が集まって話す怪談のような感じであり、スプラッター的な読後感の悪さは無いのがよい。逆にそういうホラーを求めて読まれる方には少し物足りないかもしれない。
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