2002-01-30
■ 宮部みゆき/
とり残されて (文春文庫)(宮部 みゆき)
ミステリーの短編集。幽霊、夢と現実の狭間、時空をテーマにした物語などがあり、SF的な色彩が濃い内容となっている。どの物語もテーマ自体はさほど辛辣な内容ではないといえるが、プロットの組立と語りが冴え引き込まれる内容となっている。
多くを語るとネタをばらす事になるので避けるが、肩があがらない野球選手の物語が特に気に入った。時空を超える意識の強さを幽霊という手段と現実的にこの野球選手がかかえる問題とのリンクに圧倒された。また、この物語の登場人物が善意に基づいて行動しているという点も読後に爽快感が得られたといえる。
この短編集にあるようなSF的なミステリー、特に時空を超える物語が後の「蒲生邸事件」に繋がっていったのだろうか。この分野に関しても著者の今後の作品が期待できる。
2003-01-30 会社人間の死と再生
■ 村上 龍/
会社人間の死と再生―ダメな会社と心中しないための戦略とは?(村上 龍)
金融、流通、建設、公団、転職経験者、派遣社員、公団職員、地方の会社員、独立した人、などの数人と著者の対談が納められている。内容は、それぞれの仕事の内容や今後の見通し、仕事観について。巻末に、山崎元氏らとの鼎談が行われている。この本では、正社員を否定したり独立を薦めている訳ではなく、それぞれの立場で仕事に対してどういう風に考えているかという事を明示していく事が主旨のようだ。
建設関係や公団の人は、将来に不安はあるものの、会社がなくなれば、その時はそのときでどうにかなるという風に考えている。また、自分が頑張れば会社が持ち直すかもしれないという風にも言う。私自身そういう風に考えている面もあったのだが、会社に依存して期待するのではなく、戦略としてどうしていきたいのかを考えるべきなのかとも思った。
2005-01-30
■ 稲盛和夫/
生き方―人間として一番大切なこと(稲盛 和夫)
主に仕事に対する考え方や行動の仕方について、著者の思想が書かれている。著者「京セラ」や「KDDI」を作った事をふまえて書かれているので説得力がある。書かれている内容は若干、精神論なところもあり宗教的だと感じる部分もあるのだけど、筋は通っていて間違った事は書かれていない。本音と建前でいう、建前なのかもしれないけど、常にこういう思想を基本にしていく事は大切だと思う。
この本を買ったのは新聞のコラムでこの本を「アルプラザ」の全社員に配ったというのを知ったから、どんな本なのかと読んでみた訳だけど、仕事をする上でモチベーションを保つという意味で、たまに捲るといい本かもしれない。
