2003-02-08 青い虚空
■ ジェフリーディーヴァー/
青い虚空 (文春文庫)(ジェフリー ディーヴァー/Jeffery Deaver/土屋 晃)
主人公はクラックによって刑務所に収監されている「ジレット」。シリコンバレーである殺人事件がおこり、その殺人事件を解決するために、警察はジレットに助けを求めた。敵の「フェイト」は、“青い虚空-blue nowhere-”(コンピュータ上の世界)と現実の区別がつかなくなっている。ジレットはフェイトの居場所を探そうとするのだが、その間にも殺人が重ねられていく。
フェイトはクラックとソーシャルエンジニアリングを駆使して殺人を行う。 ソーシャルエンジニアリングが本書のテーマともいえる。登場人物には、多少なりとも秘密がある。現実的に、誰でもそうだろうし、そういう意味ではソーシャルエンジニアリングしているということかもしれない。しかし、一番の偽装といえば著者ジェフリーディーヴァーの「どんでんがえし」だ。もちろん今回も用意されている。3回は騙されました。
2003-02-10 破壊者
■ 勝谷誠彦/
破壊者―日本を壊す9人と私(勝谷 誠彦/中丸 謙一朗)
副題は「日本を壊す9人と私」。トゥナイト2で行われた対談に加筆、編集されている。日本を壊す9人は、田中康夫、井筒和幸、辻元清美、かわぐちかいじ、千堂あやか、宮嶋茂樹、小池栄子、佐野実、見城徹。著者はこの9人との対談で「建前」と「本音」の垣根というダブルスタンダードを壊す心意気を聞きたかったという。
どの対談も興味深くおもしく読めた。特にその人のイメージが変わったのが、辻本清美さん。悪い印象は無いけど別に好きでもなかったのだが、この対談を読んで印象が変わった。話してみないとわからないというのはよく言われるど、そういう意味で本書のように、突っ込んだ対談集はその人のあり様をを浮き彫りにする。9人はいい意味で、本書によって本性を顕わされたのではないだろうか。
2003-02-15 ニュースの職人
■ 鳥越 俊太郎/
ニュースの職人―「真実」をどう伝えるか (PHP新書)(鳥越 俊太郎)
著者が毎日新聞に入社してから今にいたるまでの遍歴と、その経験から得たメディアや報道者のあり方が述べられている。著者はジャーナリストとして大切な事として、地域密着性と誤報への対応の仕方を挙げている。また、日本のメディアの問題点として「雪崩報道」(メディアの先導で世論が一方向に流れてしまう傾向)の危険性を挙げている。
本書を読んで著者が毎日新聞やサンデー毎日に執筆するマスコミの人だった事を初めて知った。テレビの「ザ・スクープ」とほぼ日でのあのくさ こればい!ぐらいしか知らなかった。本書を読んで著者の報道やメディアに対する姿勢は「ニュースの職人」に値するし、信頼できるものだと感じた。
誤報への対応の仕方として、サンデー毎日での事例で誤報であった記事以上の調査をして、それ相応のページを割いて調査報告をしたとあった。その報告記事に対して批判もあったけど、認めてくれる人もいたという。仕事上のミスは絶対あるので、それのミスがなぜ起こったのかを徹底的に調査する事がミスを予防する最善策なのだと再認識させれた。
著者は最後に、ジャーナリストとしての仕事の意味を「社会正義」としている。この人も勝谷氏のいう破壊者なんだろう。
■ Wikiについて
WikiWayはあとがきから読み始めました。で、そこで紹介されていた『Wikiと掲示板の融合*1』を読んでみました。そこに、掲示板の利点・欠点、Wikiの利点・欠点が挙げられていて、掲示板とWikiが補完しあう事で優れたシステムになると書かれています。Wikiの利点と欠点を引用します。
Wikiの利点 -誰でもどこからでも議論に加われる。 -簡単にWebページを作れる -1人で使う場合もそれなりに便利である。 Wikiの欠点 -時間の関係が把握しにくい。 -誰が編集したのか分からない。 -なんとなく敷居が高い(ような気がする)。
とあります。的確にとらえられていると感じました。「誰が編集したのか分からない」については、tDiary-usersではだいたい署名を書くようにしているので、クリアーできていると思います。
Nanaさんのアドバイスや、tDiary-usersで議論されている事も、掲示板(またはML)とWikiをうまく組み合わせる事で、tDiary-usersが使いやすいページになるのかなと感じています。しかし、まずは普及ですね。
*1 増井俊之 , [[インターフェイスの街角(48)Wikiと掲示板の融合|http://www.csl.sony.co.jp/person/masui/UnixMagazine/PDF/if0112.pdf]] , UNIX MAGAZINE 2001.12.
■ 新世紀へようこそ【号外】
『イラクの小さな橋を渡って』の英語版を http://www.impala.jp/iraq/index.html でダウンロードできます。
・・・この戦争を止められなかったら、次の戦争も止められない だろう。国際政治を動かすのは議論ではなく武力ばかりになるだ ろう。 ナシリヤの町で、一人の男がロータリーの縁石を白と緑に塗り 分けていた。走る車の中から一瞬見ただけだが、ペンキの刷毛を 動かすその手の動きをぼくはよく覚えている。世界中どこでも人 がすることに変わりはない。自分と家族と隣人たちが安楽に暮ら せるように地道に努力すること。それ以外に何があるか。 まだ戦争は回避できるとぼくは思っている。 ―――――――――『イラクの小さな橋を渡って』あとがきより
2003-02-19 Wiki Way
■ ボウルーフ、ウォードカニンガム/
Wiki Way―コラボレーションツールWiki(ボウ ルーフ/ウォード カニンガム/Bo Leuf/Ward Cunningham/yomoyomo)
Wikiのインストールから運用、Wikiの内部構造や設定・カスタマイズについての解説、大学や職場で実際に使用された事例などが解説・紹介されている。Wikiに関する技術的な運用だけでなく、Wikiを使って共同作業を行う上での特徴などにも触れられている。また、付属のCD-ROMにはWikiクローンが納められている。
tDiary-usersと自サイトでWikiを使い始めてから本書を読んだ。Wikiや共同作業に関する考察に関する章は、特に興味深い内容だった。ちょっとでもWikiを使ってから読んだ方が、より理解しやすいのではないだろうか。ハックに関する章は今回は斜め読みしたのだが、自分が使いやすいようにWikiを運用する場合には、有用なリファレンスになる。大学や職場での事例についても、単に事例を紹介するだけでなく、考察が加えられているので実際に運用しようとする場合の貴重な資料といえる。本書を読んで、tDiary-usersや自サイトでWikiによるページを作り続けていく事に価値を感じだ。これからもゆっくりかもしれないけど作り続けていこうと思う。
2003-02-23
■ FAQの目次が消えた
tDiary-usersの中にあるFAQのページが消失した。今朝、tDiary-usersのMLで報告されたのを見て初めて気づいた。一応diffから復元しておいた。MLにも書いたのですが、最初は誰かが間違って消してしまったのかと思ったのですが、yucoさんのWikiも消されたらしいので故意かも。
Wikiは自由にページを作ったり編集できるのが利点でもあるけど、こういう風にページが消えてしまう事もある。書き加えられる事に対しては、それに対して反応できる*1のでいいのだが、ページを全部削除されるというのは、何のプラスにもならない。かといって、管理者だけが編集できるようにパスワードをかけたら、tDiary-usersの為にならないし。Wikiは、定期的にバックアップが必要ですね(tDiary-usersは定期的にバックアップされていた模様)。
まめにバックアップをしておけば大丈夫という意味で上の文章を書いたんですが、「Wikiの恐怖」と感じられたようなので、文章を修正しました。自由な共同作業がWikiのメリットの一つですもんねー。
*1 [[ナイショ話|http://www1.neweb.ne.jp/wa/yamdas/wikiway/wwse4.html]]
■ 1.5.3リリース
1.5.3がリリースされたので入れました。
■ 宮部みゆき/
夢にも思わない (角川文庫)(宮部 みゆき)
久しぶりの宮部みゆきだった。一応続編だったのね。前作も読んでみよう。
2003-02-25 空爆されたらサヨウナラ
■ 宮嶋茂樹/
不肖・宮嶋空爆されたらサヨウナラ―戦場コソボ、決死の撮影記 (祥伝社黄金文庫)(宮嶋 茂樹)
ユーゴ対NATOの戦争の場へカメラを持って出かけて行って現場を撮影したドキュメント。ユーゴへの入国、ベオグラードを拠点にした近辺での空爆やコソボの難民誤爆に対する撮影、出国、日本への帰国までが書かれている。宮嶋氏は相変わらず行動的なのだが、誤爆の現場などに行った時には、さすがの宮嶋氏も衝撃を受けている。
中東やヨーロッパでの戦争に実感を持てない、関心が無いという場合は是非本書を読んでみるべきだと感じた。離れたところからミサイルを打ち込まれるという事(誤爆を含め)、近隣に不安定な国があるという事の意味合いがどういう事なのかを再考させられた。
2003-02-28 思い出トランプ
■ 向田邦子/
思い出トランプ (新潮文庫)(向田 邦子)
13編の短編が納められている。ちょっと昔の日本の日常を背景に普通の人が持っているちょっとした影が綴られている。誰でもこういうちょっとした深い話しを持っているんだろうと感じた。ちょっと昔と書いたのは舞台という意味と、登場人物という両方の意味。考え方や行動が自分と違うと感じる面があった。登場人物の世代が自分より上なので、その年になれば同じように考えたり行動したりするようになるのかもしれない。そういう意味で、登場人物のモノに対する考え方が新鮮で興味深かった。
読書録を見て気づいたのだが、この3年間著者の本を読んでなかった。一時期よく読んでいた気がするんだけどなー。
