2004-02-20
■ 綿矢りさ/
蹴りたい背中(綿矢 りさ)
高校一年の長谷川ははクラスに馴染めないまま一学期目を終えようとしている。そんな時、クラスに馴染んでいないもう一人「にな川」と出会う。にな川君は内に籠もりがちだけど、好きなモデルの事になると俄然真剣になる。そんな真面目な高校生たちの話。
この小説の登場人物には共感できる部分が多かった。主人公は、にな川君を通す事によって集団との距離のとり方をはかろうとする。集団から見ると孤立している人は何を考えているのかわからないけど、孤立している側の人は冷静に集団を見ている。この小説の場合、その孤立している人をさらに冷静に見ているのが、にな川君という事か。
あと、主人公とにな川君のやりとりの細部がおもしろかった。通勤電車の中で不気味に、にやけてしまった。細部を書き込んでいるなという印象。著者の前作「インストール」も高校生が主人公だったが、前作よりも登場人物たちを冷静に暖かい目で捉えているという印象を受けた。
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